◯猫伝染性腹膜炎(FIP)

2019年より抗ウィルス薬を使用した治療を始めました。これまで(2023年末時点)約230症例のFIPの猫を診療しています。その90%が回復し、元気な生活を取り戻しています。

FIPとは?


  • 猫腸コロナウィルスが突然変異を起こし、毒性の強いFIPウィルスが全身に炎症反応を起こす致死率の高いウィルス感染症です。
  • 症状は発熱(抗生物質の治療に反応しない)、呼吸が苦しい(胸水)、お腹が膨らむ(腹水)、下痢が続く(腸炎)、便が出ない(腸閉塞)、フラフラする、痙攣発作(神経症状)、目が赤い・白い(眼症状)など、病変部位により様々な症状を呈します。
  • 1歳未満が特に発症例が多いです。

どんな検査が必要?


  • 血液検査(血球+化学検査他)、超音波検査(腹部、胸部)、レントゲン検査、CT検査(可能であれば)など、全身をくまなく検査する必要があります。
  • 高齢では鑑別診断として膵炎、心臓病、腫瘍なども念頭に置いた検査が必要になります。
  • ウィルス検査が検出率は高いものの100%診断できる検査はないため、それぞれの検査と身体所見と合わせて総合的に判断をする必要があります。そのためFIP症例を診断した経験値はとても重要になります。

治療法

  • 抗ウィルス薬の投与が必要です。当院ではMUTIANとモルヌピラビルによる治療法を提案しています。病状により投薬量、料金が変化します。
  • 重症例では治療を始めても1週間以内に亡くなってしまうケースが大半です。1週間乗り切るためには抗ウィルス薬の治療以外に集中的な治療をしなければ助かる確率が下がってしまい、そのため治療費もさらにかかります。